「トラウマケアって、つらい記憶と向き合うんですよね…?」と思っている方へ

こんにちは。
当セラピールームのブログをご覧いただき、ありがとうございます。

セラピーを受けようか考えている方から、

「トラウマのことを話さなければいけないですよね?」

「つらい記憶を思い出すのが怖いです。」

というご相談をいただくことがあります。

過去につらい経験をしてきた方ほど、

「またあの苦しさを味わうのでは…。」

と不安になるのは、とても自然なことです。

でも実は、

トラウマケアは、最初からつらい出来事に向き合うことではありません。


トラウマケアで最初に大切にすること

トラウマケアでは、

まず神経系が安心を感じられる土台を育てていくことをとても大切にしています。

これは「安定化」と呼ばれる大切な段階です。

なぜなら、

神経系が強い緊張や不安を抱えたまま過去に触れてしまうと、

当時の苦しさが強くよみがえり、

かえってつらくなってしまうことがあるからです。

だからこそ、

最初に目指すのは、

「安心して今ここにいられる時間を少しずつ増やしていくこと」なのです。


「安心してください」と言われても、安心できないことがあります

セラピーの中では、

「安心できる場所を思い浮かべてみましょう。」

という言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれません。

でも、

「安心できる場所なんて思い浮かばない。」

「好きなことも分からない。」

「リラックスした感覚が分からない。」

そう感じる方も少なくありません。

それは決しておかしいことではありません。

長い間、緊張や不安の中で過ごしてきた神経系は、

安心を感じることよりも、

危険を察知することを優先して頑張ってきたからです。


リソースは「特別なもの」でなくても大丈夫

トラウマケアでは、

安心や支えになってくれるものを「リソース」と呼びます。

でも、

リソースは何か特別なものである必要はありません。

例えば、

  • 温かい飲み物を飲んだ時の感覚
  • 窓から入るやわらかな光
  • お気に入りの毛布の肌触り
  • 木や空を眺めている時間
  • 信頼できる人の声
  • ペットを思い浮かべた時の気持ち

そんな小さな「少しホッとする」が、

神経系にとっては大切なリソースになることがあります。


リソースが見つからない方も大丈夫です

「でも、それすら思い浮かびません。」

そうおっしゃる方もいらっしゃいます。

実は、それも珍しいことではありません。

神経系が長い間、

緊張した状態で頑張り続けてきた方ほど、

安心を感じる感覚そのものが分かりにくくなっていることがあります。

だから当セラピールームでは、

無理に

「安心してください。」

「何か好きなものを探しましょう。」

とはお伝えしません。

セラピストと一緒に、

ほんの少しでも身体が楽に感じる瞬間や、

少しだけ呼吸が深くなる感覚を探しながら、

その方に合ったリソースを少しずつ育てていきます。


セラピーではどのように関わるの?

トラウマケアは、

怖い記憶と戦うことではありません。

まずは、

神経系が

「ここは安全かもしれない」

と感じられる体験を少しずつ積み重ねていきます。

安心できる時間が増えてくると、

神経系は自然と回復する力を発揮し始めます。

その土台ができてから、

必要があれば過去の出来事を丁寧に扱っていきます。

ですから、

最初から無理につらい話をしていただくことはありません。

あなたのペースを大切にしながら進めていきますので、ご安心ください。


最後に

トラウマケアという言葉を聞くと、

「つらい記憶と向き合わなければならない。」

そんなイメージを持たれる方も少なくありません。

でも、本当のトラウマケアは、

安心できる土台を育てることから始まります。

そして、その安心は、

一人で頑張って作らなければならないものではありません。

セラピストと一緒に、

少しずつ神経系が安心を感じる経験を積み重ねていくことで、

これまで張りつめていた身体や心が、

少しずつ「もう大丈夫かもしれない」と学び直していきます。

当セラピールームでは、

一人ひとりの神経系のペースを大切にしながら、

安心できる土台づくりから丁寧にサポートしています。

どうぞ安心してご相談くださいね。