トラウマとは
どのような体験がトラウマとなるの?
最近では、トラウマという言葉が日常会話の中でも自然に使われているのように感じますが、
皆さんの周りではいかがですか?
その【トラウマ】って言葉。耳にしたり、日常会話で使っていたりするけど、
実際はどんなことをトラウマというのか…皆さんにわかりやすく説明したいと思います。
トラウマとは心的外傷と言われるもので、なんらかの体験により心の柔軟性が失われ、本来の役割を果たせなくなった状態のことを指します。トラウマとは過去の体験によって生じる傷のことで、その心に傷を残すような体験自体のことは、トラウマ体験と呼ばれます。
過去の体験によって受けたトラウマは時間が経過しても風化することなく、心身にさまざまな影響を及ぼし、現在を生活する上で、生きづらさの原因になることがあります。
では、どのようなことがトラウマ体験となりうるのでしょうか?
トラウマとなりうる出来事を大きく2つに分けてご説明します。
1.非日常的な恐怖体験
・震災や火災などを経験した
・交通事故にあった
・暴力的な犯罪の被害を受けた
・性被害(望まない性行為を強いられた等)
*自分が体験したことに限らず、上記のような恐怖体験を目撃したり、身近な人を上記のような出来事で亡くした場合などもトラウマとなりえます。
2.日常的に繰り返されてきた出来事
・子どもの頃、養育者から暴言・暴力を繰り返し受けてきた(身体的虐待)
・子どもの頃、食事をはじめ、必要なケアを受けられなかった(ネグレクト)
・身近な人からの性的な接触をされた(性的な映像や本、性行為を見せられた等含む)(性的虐待)
・パートナーから暴言・暴力を繰り返し受けてきた(DV)
・家族の誰か殴られたり、怒鳴られたりしているのを見てきた(面前DV・心理的虐待)
・養育者が頻繁に変わった。
・養育者との不安定な関係
・学校におけるいじめ
*この他にも、非常な怒り、恐怖、裏切られたと感じるような体験や、服従を強いられたり、打ちのめされたり、恥辱感を感じたりするような体験は、心に傷を残すことがあります。
トラウマとなりうる出来事を大きく2つに分けてご説明しました。1の非日常的な出来事は【ビックT】と呼ばれることもあり、2の日常的に繰り返されてきた出来事は【スモールt】と呼ばれることがあります。ここでいう、ビッグやスモールは被害の大きさを表すわけではありません。スモールtは、ごく身近な人との間で繰り返されます。そのため、対人関係の問題と捉えることもできます。特に子どもの場合、心身ともに未発達だからこそ、そこから受ける影響は大人よりも大きくなりやすいと言われています。必ずしもビッグTがないからトラウマ体験がないということではないことをご理解ください。
日常生活で使われるトラウマという言葉は、『嫌な思い出』や『苦い記憶』といった意味で使われることもありますが、
時間の経過とともに記憶が薄らいでいくような嫌な思い出・苦い記憶とトラウマ(心的外傷)は異なるものです。
トラウマとしてセラピーで対処した方が良いものとは…
辛い経験によって心身に変調があり、日常生活に支障が出ている方。医療機関でPTSDを診断されるような状態であったり、診断に至らずとも(医療機関に受診している方は少ないので)下記の症状に心当たりのあるは、一度、ご相談ください。
【子どもの症状】
・周囲の音や光、匂いに敏感
・些細なきっかけに対して怒りが激しい
・反省ができずにすべて周りが悪いと開き直る
・母子分離が難しい
・他人の言動が気になり学校へ行けない
【大人の症状】
・嫌な出来事が頭から離れない。考えないようにしても繰り返し考えてしまう
・頭では仕方ないとわかっていてもその時、こうしていれば…と自分を責めてしまう
・感情のアップダウンが激しくコントロールが出来ない
・他人との距離感が分からない。対人関係がうまくいかない
・漠然とした不安や焦燥感から気が休まらない
いかがですか?あてはまるものがおありでしょうか?
『性格だから変えられない』などと感じていた生きづらさは、実はトラウマによる症状なのかもしれません。
もしも、
その生きづらさが症状なのだとすれば、傷をいやすこと(トラウマケア)で良い変化が生まれる可能性があります。
その可能性を一緒に考えていきましょう。
お申込みは予約フォームよりお待ちしております。