こんにちは。
こころとからだを繋ぐセラピールーム【虹のひかり】セラピストの浅見です。
今日は、私が専門として取り扱うトラウマについてお話ししたいと思います。
みなさんもどこかで一度は【トラウマ】と言う言葉を聞いたことあるのではないでしょうか？
☑︎小さい時に、犬に噛まれたのが
トラウマになって、今でも犬を触るのが怖い。
☑︎車に乗って信号待ちをしているときに
後から衝突をされ、それ以来、車に乗るのが怖い。
☑︎親友だと思っていた友達に裏切られ、
それ以来、人のことを信じられない。
などなど、
トラウマと言って思いつく例としてよく挙げられるものです。
では、医療機関であったり、心理臨床の場面（カウンセリングルーム）で扱われるトラウマとは
一体どういったものを指すのでしょうか。専門用語ではなく分かりやすくお伝えしたいと思います。
トラウマとは、
『心的外傷』のことを指し、何らかの体験に心が本来の役割を果たせなくなった状態を指します。
※命に関わるような出来事や
※自分では逃げる事も対処する事も出来ない非常に恐ろしい出来事
または、
それらの出来事そのものをトラウマと言うこともあります。
では、
私たち専門家が扱うトラウマと日常会話の中でみなさんが使っている
トラウマの違いについて考えてみたいと思います。
日常会話の中で使われるトラウマは、
『あまり思い出したくない苦い思い出』といった意味で使われているのではないでしょうか。
その当時は、
悲しかったり、辛かったり
もう、こんなの耐えられない。
と思うような出来事をトラウマとして
体験しますが、
『時間薬』と表現されるように時間の経過とともにその記憶は徐々に薄らいでいき、
思い出すと少し胸がキュンとなる苦い思い出となっているものを指します。
一方で、
私たちが心理治療として扱うトラウマは、長きにわたって心身に変調を招き
今を生きることを難しくしているものを指します。
先ほど、日常的に使われるトラウマは思い出すと、
胸がキュンとなる、嫌な気分になるといった感じで、どちらかというと自ら思い出す作業によって引き出される
感情や感覚であるのに対し、
治療的関わりの必要なトラウマは、思い出そうとしなくても、
過去にあったトラウマ的な出来事に意思とは関係なく圧倒され瞬時に引き戻され、
今現在がまるでトラウマ体験のあった過去を生きているかのような、
自分自身ではどうにもできない状態に陥ってしまうものを指します。
トラウマと言われる心の傷は目には見えず、その深さをはかることもできません。
しかし、トラウマは、今現在の生活場面に様々な症状として表れます。
本人や周囲の人には見えない傷ゆえにそれをトラウマ症状と理解することができず
【わがまま】と言う評価になっていたり、
【自分はダメな人間だから】
と自己肯定感を下げ、諦めながら重い足を引きずるように生きている方も実際に多くいらっしゃいます。
本人的には、【生きづらさ】として感じているのかもしれませんね。
現在では、少しずつトラウマという言葉が医療、教育、福祉、様々な領域で扱われるようになってきました。
とは言え、まだまだ、トラウマ症状を発達障害や愛着障害による行動化として見立てられ、
トラウマに気づいてもらえないことは多々あります。
もちろん、発達障害、愛着障害、トラウマによる表面化する言動には、重なる部分がとても多いのも事実です。
専門家でなくても、『これってトラウマ症状かも…』と、気づけるよう【トラウマインフォームドケア】と言う
新しいものの見方が静かに広まりつつあります。今後、この視点はどの領域においても必要なものを言えるでしょう。
問題行動や生きづらさに表現される背景には『トラウマ』という傷つき体験が潜んでいるのかもしれないという視点です。
トラウマを治療者として扱う私にとっても、クライアント様が身を置く生活場面の環境改善にこの視点が広く広まっていくことを
願っています。
今日は、日常生活で使う【トラウマ】と専門的用語としての【トラウマ】について
お話いたしました。
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ご覧いただきありがとうございます。
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